スケ透け見えちゃうメガネ

ついにその商品は、やってきた。

『スケ透け見えちゃうメガネ』

ヤマダは通信販売の郵送用ダンボールを衝動的に破ると、中からそのメガネを取り出した。
「これが、スケ透け見えちゃうメガネかあ」
あるマニアックなポルノ雑誌の表3広告。そこで宣伝されていた妙なメガネ。

『このメガネをかけると、なんと!目の前のものが透けて見える!世界中の男子が待ち焦がれた逸品。アジャスター機能付で透明度の調整も自由自在!』

その広告を見たヤマダは、疑いの気持ちと、邪な下心を戦わせ、見事、下心を勝利させた。
インターネットでそのメガネの販売ページへと移動すると、気づけば『今すぐ購入!』のボタンをクリックしていた。
よし、明日、学校で試してみるぞ!

口々におはようを飛び交わせながら、クラスメイトたちが次々と教室へとやってくる。
その日ヤマダは、メガネの効力を試してみるべく、浮足立つ足取りで誰よりも早く登校し、席に座るや否や、すぐにメガネを装着した。

「おーはようっ!」

来た!ヤマダのお目当ては、マリエ。
マリエが教室の前方のドアから入ってきた。ヤマダはメガネの右フレームの端にあるアジャスターのつまみをクルクルとひねり、マリエの方に目を向けた。

おお!見えた!

そこには、色気が滲み出たセクシーな下着だけを身につけたマリエの姿が。
スケ透け見えちゃうメガネ、やっぱりすごいじゃん。
ヤマダは、さらにつまみをひねり、透明度を上げていった。
下着さえも身につけず、肌を露わにしたマリエが目の前に。
綺麗な鎖骨、下垂型で美しい乳房、滑らかなくびれ、普段は問答無用に覆い隠されて見ることなど到底できない秘部を、ヤマダはじっくりと堪能した。

それから毎日、ヤマダはそのメガネをかけ、マリエの裸体を楽しんだ。
ある時ふと、ヤマダはメガネのアジャスター機能について疑問を抱いた。
もっとつまみを捻りきってみたら、どうなるんだろう?
そう思い、ヤマダは、アジャスターのつまみを最大まで捻りきってみた。そして、マリエに視線を移す。
するとそこには、身体が透過され、まるでレントゲン写真かのようなマリエの姿が。
なんだ、これじゃちっとも興奮できないな。
そう思い、つまみを戻そうとすると、そのレントゲン写真のような姿の肺の辺りに、白くぼんやりした影があるのを発見した。
もしかして、あれって、何かの病気の影なんじゃないだろうか?
ヤマダは家に帰って家庭用の医学書で調べてみると、やはりその白い影は、ある大病の初期段階に現れる影だということがわかった。
でも、こんなこと、直接本人に伝えられるわけもないし、どうやってそれを見つけたのか、説明のしようもない。
そこでヤマダは、匿名の手紙にそれをしたため、マリエに伝えることにした。
やがてその手紙はマリエのもとに届き、最初はもちろんその奇妙な手紙を気色悪がったが、妙に説得力のある文面に促され、一度検診を受けてみることにした。

「これは大病の初期段階です。こんなに早期に検診を受けに来られる方は珍しい。今の段階なら、軽い処置で治療できますから」

マリエの病は、すぐに完治した。
自分のもとに届けられた匿名の手紙を何度も読み返し、心の底から感謝した。
マリエはその手紙の筆跡から、差出人が、同じクラスのヤマダではないかと思い、ある日の休み時間にヤマダを呼び出した。

「ヤマダ君でしょ?手紙くれたの!」
「え?」
「隠さなくってもわかるよ!ヤマダ君、字に特徴があるから」
「え、ああ」
「おかげで、病気が発見できたし、すぐに治すこともできたの!ほんとに命の恩人!ありがとっ!」
「あ、うん」
「ところで、なんでヤマダ君は、マリエの病気のこと、知ってたの?すごく不思議なんだけど。ねえねえ、教えてよ!」
ヤマダは、ボソッとした声で答えた。
「なんでも透けて見えるメガネをかけて、君のカラダを観察してたらさあ…」