キレイな世界

車椅子に乗った ひどく汚れた青年が
道端に 一輪の花を 見つけました

青年は 少し体を折り その手に花を抱かせました

春先の風は 花と青年を同時に 同時に撫でて行き
宇宙が回転している そんな花々の気持ちたちを 空気のあちこちに飛ばしました

少し荒れた 土気色した地面の上を青年は
先ほど見つけた花を片手に 車椅子とその体を運んで行きました

窓辺の花瓶からは 下をのぞくように首を垂れる
ピンク色した花が 青年の方を見ていました

青年がその花の方に笑顔を見せると 窓辺に首を垂れるその花も
穏やかな笑顔で 青年に微笑みかけました

なんてキレイな世界が在るのでしょう
なんて澄んだ世界が在るのでしょう

汚れているのは 僕の方
その光景を見ている 僕の方
素直な気持ちに帰りたい
嘘なんか知らなかった頃に戻りたい
今は ただ汚れているから
毎日 頭上に罰が降ってくるのを ただじっと
待っているだけなんです