パステル

パステルが 自由と言う 色に化けて キャンバスを 走り回った
その結果 たくさんの 欲望たちが キャンバスに 擦り込まれて行った
気持ちと感情が キャンバスの 生地を引っかき 無色のキズを付ける
読み込めない仕上がり 感じ取れない仕上がり 絵本の世界の様ないざない

パステルが 未来と言う 明暗の区別の無い キャンバスを 汚し回った
その結果 過去が生まれ 後悔が生まれ 成功や感動が生まれた
パステルが 生んだんじゃない
パステルに そんな力はない
宇宙が 生んだわけでもない
たった一人の ちっぽけな 人間
その小さな右手が 奇跡的に 生んでしまった
神様も予知していなかった
運命のシナリオにも用意されていなかった
ノストラダムスも予言できなかった
その小さな右手の 小さなパステルは
運命の大事な大事な繋がりを グチャグチャに捻じ曲げた
少し前までは存在しなかった瞬間に
少し前までは存在しなかった空間で
少し前までは存在しなかったアイデアを
少し前までは存在しなかった色を使って
たった今此処に存在する 人間と言う爆弾が選んだ パステルと言う導火線
後は火が点く
燃え上がる
焼き尽くす
灰になる
欲望は 灰になり キャンバスの上 横たわって居る