忘却

男は空き地を見て思う。

「あれ? ここって何の建物だったっけ?」

通い慣れた道。

見慣れた景色のはずなのに──

いざ建物がなくなると、それまで何が建っていたのか忘れてしまう。

男は仕事から帰り、ソファに腰掛ける。

「そういえば隣に誰か居たような……?」

人は別れた妻のことすら忘れてしまうようだ。

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