万札

「わぁ! 戻ってきた!」

青年は手にした万札を眺める。

数年前、好奇心から万札の右下に数字を書き入れた。

いつか手元に帰ってくればと期待を込めて。

「いろんな人の手に渡り、ここに帰ってきたんだね」

万札の旅を思い浮かべてみる。

「それにしても――」

所々に付着した血糊が、危険な旅を物語っていた。

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