「海って恥ずかしがり屋さんだね!」

「どうして?」母が尋ねる。

「寄せてもすぐに返すから」

「でもね、たまに勇気を振り絞っちゃうときがあるのよ」

「勇気?」

少女の後ろに高い波が迫る。

「その勇気は恥ずかしがり屋さんを誘拐犯にしちゃうの」

波にさらわれそうになる娘の手を、母はしっかりと握った。

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