郷帰りの詩

「えーと、えーと、僕の親友は結構ヤンキーで、結構って言うか、だいぶヤンキーで、服装はギャル丸出しです。とにかく男にモテます。でも、よくフラれます。顔はかなりカワイイので、男にモテるのは納得出来るけど、飽き性なのですぐにカッコイイ男でも飽きています。そのくせ、飽きられるのは自分の方で、恋するたびに傷ついて泣いています。一ヶ月に一回は男を変えてます。本気で好きになった男も中にはいたみたいでした。」

 

「僕の親友はカッコイイです。何がって一言では言い表せないけど、タバコの吸い方とか、歩き方、笑い方、泣き方、全部カッコイイです。タバコなんかは一日にニ~三十本はポイ捨てします。でも、ポイ捨ての仕方もかなりカッコイイです。カラオケとかに行っても歌が上手いし、なんでもマルチにこなします。もちろん店員さんが商品とか食べ物とか持って来たときにはアリガトウとか言います。その言い方も絶品にカッコイイです。」

 

「僕の親友と僕とはいつも一緒でした。ホントに雨の日も風の日も台風の日も地震の日も、ずっと一緒でした。車に乗っては淀川に行ったり、カラオケをはしごしたり、雨の日に公園の木の下で恋の話を朝まで語り合ってみたり、ホントいろいろしました。エキスポランドも行ったし、南港にユーフォーキャッチャーしに行ったりもしました。京都に観光しに行った事もあったかな。そして、青春を絵に描いたような日々を共に過ごしました。僕の親友はとにかく弱くて強くて、かわいくてカッコよくて、最高の人間でした。夢とかそんなモノを持ってる人じゃなかったけれど、今が楽しいな、と思わせてくれる人でした。」

 

「キモイとかキライとかウザイとか言った事は多々あったけれど、好きとかは言った事が無かったなー。でも、大好きです。大好きって言うか尊敬してます。心のずっとずっと奥の方から尊敬しています。あんな人間とは一生出会わないでしょう。これから、何十年と生きて、何千人という人間と出会ったりするでしょう。アツイ人間とか、冷たい人間とか、優しい人間とか、ムカつく人間とか。でも、親友を抜ける程に魅力のある人間と出会うことは絶対にありえません。あるわけがないし、ありません。それだけ僕の中で親友は大きな位置を占めます。だって、親友ですからね。」

 

「とにかくワガママです。いいかげん、うっとおしくなるくらいにワガママです。全く付き合ってられません。でも、なんか、素直な感じです。正直なワガママです。ある意味うらやましかったのかも知れません。いや、うらやましいって事は、やっぱり尊敬してるって事でしょうね。それくらいにカッコよかったんです。僕の親友は。」

 

「ホントに短い時間でした。あっという間の時間でした。これから、僕の身の回りで繰り広げられるであろう時間なんかと比べると、ホントのホントに一瞬でした。でも、平凡な八十年の人生よりも、一瞬の最高な時間の方を選びたいですよね。なので、その一瞬を親友と分かち合えた僕は幸せ者なのかも知れません。正確に言うと五ヶ月くらいだったのかも知れません。その、親友との大切な時間は。今考えると短いなと思います。でも、あの時間の真っ只中にいる時は、永遠に続くものと思っていました。一生無くならない時間だと思っていました。やっぱり時間は冷たいですね。永遠を信じた時間でさえも、過去に追いやってしまいました。」

 

「今でも戻りたいと思うときはあります。もしかしたら毎日、毎分、毎秒思っているのかも知れません。確かにあれからいろんな事件とか出会いとかあったけれど、やっぱりなんかウソくさい。自分をアツくさせてくれません。どんなに楽しいこととかあっても、やっぱりあの親友との時間に比べると無価値です。僕は価値とかそんな言葉は好きじゃないけど、あの時間はとってもとっても価値が在りました。戻れるんだったら死んでもいいです。逆に言うと戻れない自分なんか生きてても意味がないんじゃないでしょうか?でも、そんな事を言っていても時間はタネを明かすこともなく、着々と今を過去へと追いやって行っています。ホントに冷たいものです。やっぱり戻りたい。自分で時間を戻すことが出来るのなら、一生かけて戻したい。それだけに一生を費やしても何ら悔いは在りません。」

 

「親友が今何をしているのかは分かりません。きっと、遠い遠い所で昔と変わらずに暮らしていることでしょう。あの時間から変わってしまったのは僕だけなのかもしれないですね。親友を置き去りにして、時間の流れに媚びて、今の満ち足りない生活へと来てしまったようです。帰りたいですね。戻りたいですね。だって、これから歩んで行く道には、少しの価値も無いんですから。こんなに悲しくて寂しいことって在るんでしょうか?誰か知りませんか?時間の戻し方。きっと、親友が傍に居たら教えてくれていたに違いありません。だって、僕の親友なんですから。最高の僕の親友ですから。」

 

「と、まぁ僕の親友はこんな感じの人間です。あんまり意味が分からなかったでしょう?そりゃそうです。僕らの事が分かるヤツなんて一人も、この世界に一人もいないでしょう。だから、だから、アイツは僕の親友なんです。いつまでも変わらない親友なんです。」

 

 

 

追伸 また機会が在れば何処かで会いましょう。時間も場所もいつも通り指定はしません。ただ、会えればそれでイイかな?ちらっとお目にかかれるくらいでもイイかな?ウソ。また今度会った時には、昔みたいにバカやろうなっ。朝まで二人で最高のバカやろうぜっ!一緒に。

 

 

 

「親友に捧げる」

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